以下は「梅園草木花譜」の「春之部1」から年月日の記述例をまとめたもの。 【年の表記例】 ・干支のみ ・十二支のみ ・元号+年+干支 ・元号の一部+年+干支   ……など  毛利梅園は還暦前に死んでいるので干支はかぶらない。  十二支のみの場合、同じ紙または前後の紙に書いてある写生日から判断できる。  梅園が生きた時代は「寛政 享和 文化 文政 天保 弘化 嘉永」のみ、元号は一部が書いてあればだいたいわかる。干支が並記されていれば干支でもわかる。 【年表記で意味がさっぱりわからない例】 ・文政六数未  未は未年、数はなんのために挿入されていのか不明。文政六年の干支は癸未。数と書き間違うとは思いにくい。 【月の表記】 ・正月(一月)、二月、三月 ・正月、如月、弥生 ・太簇(一月)、夾鐘(二月)、姑洗(三月) ・仲春(二月)、下春(三月)  太簇以下の見慣れない表記は、中国の十二音律を月にあてはめたもの  初、仲(中)、下は、春が一から三月であることを考えればわかる。 【日の表記】 ・十有○日、廿有○日 ・初望○日など、望がつくパターン ・朔日(一日) ・初○日、中○日、下○日、末○日 ・中日(十五日) ・末日(廿八日、廿九日、三十日のどれか) ・終日(末日と同じ?) ・六鳥  有がつくパターンは、十有三日ならば十三日。廿有三日ならば二十三日。有は無視しても意味は変わらない。  望の付くパターンは、その日に望んで(臨んで)描く、などのニュアンスではないかと思われる。望月(満月)とはおそらく関係ない。  初○日は、月を十日ずつにわけて、最初の十日が初。その何日目ということ。  中は十〜廿まで(つまり中旬)の何日目という意味。中三日ならば十三日んこと。  同様に下三日、末三日ならば二十三日。  末三望日などの表記もありうる。  六鳥という謎の表記が一件だけあった。前後の写生日を見ると「六日」の事で、なぜ鳥なのかはっきりしないが、おそらく月の異称である太簇などが鳳凰の鳴きごえや羽ばたきの音を元にした名称(六呂六律)である事、六鳥と表記された日に描いたものが鶏冠木(カエデ)であることから、言葉遊びなのではないかと考えられる。 【その他】 ・時々ある「于時」は「時に」という意味。于時何年などと書いてあったら、何年という時に、という意味。 ・「後閏」、閏月は5年に2回発生するのが普通なので、後の閏を後閏と呼ぶ事がある。ただし、どこから数えて5年なのか明確な決まりはなく、どの年の閏月が後なのかは、人により違う可能性がある。 【備考】  毛利梅園は「未」と「末」をほとんど書き分けていない。全部「未」に見える。