翻刻!地震・災害史料

コレクション: NDL地震・火山

火水風災雑輯. [1] - 翻刻

火水風災雑輯. [1] - ページ 29

ページ: 29

翻刻

【上の資料・コマ25で翻刻済み】 【下の資料】 おさんどん おこされ相 おらか  のおかみ さんはだんなさんが夜ばんに じしんばんの時はよひつて【「宵居て:夜更けまで起きていること」が話し言葉でつづまって「よひ(い)って」となったと思われる。】エ 何かぐす〴〵〳〵おきていてあさ かただんながかへるといつしよに 旦那の中にのたくりこんで ねていなさるそれほど  ていしゆがこいしけりや  いへぬしの女房にならなけりや  よいにコレをおもやあこれからいへぬしの   女房にやおれがまご子の代までも  さぞやあしねへ火をうつおと            カチ〳〵〳〵      女房(にようぼう) 独(ひと)り寐(ね)さむし相 ひるま亀さんが為永 の中本をかしておくれた からあんまりねられ ないからはんぶんば かりよんだらモウいつそ おつなきになつて耳(みゝ)が あつくなつてうちまたが いつそもしやくしやして ホンニ〳〵モウいへぬしの女房 なんぞになるものじやねへ モウ七ツまゝや一時か半 ときとおもやうおもふ ほとふところさむしくつてねられやアし ねへチヨツ 〽アヽいゝかげんにかへりそふなものだのう とろ〳〵と寐(ね)ると うちの人のゆめを 見てホンニ〳〵〳〵 しれつてへのう

現代語訳

【上の資料・コマ25で翻刻済み】 【下の資料】 お三どん(女中) 起こされた様子 おらが(私の)女将さんは、旦那さんが夜番に地震番の時は夜更けまで起きていて、何かぐすぐす笑いながら起きていて、朝方旦那が帰ると一緒に旦那の布団の中にもぐり込んで寝ていらっしゃる。それほど  亭主が恋しいのなら  家主の女房にならなければ  よいに。これを思うと、これから家主の女房には俺の孫子の代までも  きっと苦労するだろう。火を打つ音が            カチカチカチ 女房 一人寝が寒い様子 昼間、亀さんが為永の中本を貸してくれたから、あまりに眠れないので半分ばかり読んだら、もうすっかり艶っぽい気持ちになって耳が熱くなって、股間がむずむずして、本当にもう家主の女房なんかになるものじゃない。もう七つ半か一時か半刻かと思うほど、懐が寒くて眠れやしない。 「ああ、いい加減に帰ってきそうなものだな」とうとうと眠ると うちの人の夢を見て、本当にしれったことだ。

英語訳

【Upper document - already transcribed in frame 25】 【Lower document】 The maid O-san-don Being woken up Our mistress, when the master is on night duty for earthquake watch, stays up late into the night, giggling about something while staying awake, and when the master returns in the early morning, she crawls into his futon together with him and sleeps there. If she misses her husband that much,  she shouldn't have become  the landlord's wife  in the first place. Thinking about this, from now on the landlord's wife will surely suffer even until my grandchildren's generation. The sound of striking flint            click-click-click The wife Sleeping alone and feeling cold During the day, Kame-san lent me a Tamenaga novella, and since I couldn't sleep well, I read about half of it. Then I became completely aroused, my ears got hot, and my private parts became restless. Really, I shouldn't have become a landlord's wife! It must be around seven-thirty, one o'clock, or half past - my body feels so cold I can't sleep. "Ah, he should be coming home soon," and when I doze off, I dream of my husband. How embarrassing!