翻刻
/化物(ばけもの)の/交(まじは)り。/頼(たのみ)ある/中(なか)の/酒宴(しゆゑん)の/席(せき)。人を
見越(みこ)しは/座頭株(ざがしらかぶ)。/猫股(ねこまた)が/三弦(さみせん)かじれば。
面白(おもしろ)/狸(たぬき)の/腹鼓(はらつづみ)。/産女(うぶめ)/百(ひやく)まで/踊(おどり)わすれず。
更行(ふけゆく)まゝにろくろ/首(くび)の/長咄(ながばなし)も。/幽霊(ゆうれい)らうそくの
建消(たちぎへ)となり。/欠(あくび)の口は/耳(みみ)まで/裂(さけ)。/油嘗(あぶらなめ)の
禿(かぶろ)が/舌打(したうち)して。/行燈(あんどう)を/吹消(ふきけせ)せば。まつくら
闇(やみ)から/曳出(ひきだ)した/丑満比(うしみつごろ)の/淋(さみ)しきに《割書:ソリヤ|》/出(で)た
《割書:ヤレ|》出た。/何(なに)が出た/大禁物(だいきんもつ)の/金平(きんひら)か。くはばら〳〵
ゆるせ〳〵 十偏舎一九叙