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おどけはなし
地震
若いのもの二、三人あつまりなんと浅草の方を見ぶつして
きょうと出かけ観世音(かんぜおん)のけいだいにいたりコウこの雷(かみなり)さまを見ねへどこかいなくなってしまつたゼ ナニ手めえむりなことをいへ
雷(かみなり)さまを見ろといふ口の志たからいなくなったとハホイこれは志たり
アレあの五十の唐(とふ)を見ねへ先(さき)のハうが大そう
曲(まが)つたイヤイヤすこしだナゼ九輪だものを
雷
夕アの雨ハつよいあめでそのうえかみなりさまのおそろしさ そしてアノ音(おと)ハ何たろうあれかアリヤアしんどうと
いふものだ
オヤあれがしんどうかへそんならアノ向(かふ)の蔵(くら)
のはちまきがおちた
音ハかむろだろうそうサこのあひだの二日のばんのおとハ
ナンだへありやあおいらんだろうなるほど
火事
たなひけしの人々ハちょうないへひきとりサア
サアごくらうごくらう
弁当をやんなさせエモウ腹はらがけつそりへりましたソウサたらふくト大せいいならび弁当つかふうちに極おく病と見えては
た立のはりでがたがたふるへながらこハいこハいこれハこハい
トいふ故ほかの者ヲイ
なんにもこわへ事ハねえやアなさつさとくいなせへイヘイヘめしがこわいのサ
店
水
中
店中
親父
地震のあとのどさくさまぎれ息子(むすこ)ハ廓( )をぬけてこつそり
内へまぎれ入り親父のこごとをきかねつもり おやじこれせがれおのれハなぜ
けへつてきた爰(ここ)はうぬにやる内でハねへたつた今
すぐに出ていけサアサア 母モシモシあなたマア怪我もしないでかへつたのに おやじイヤサはりのしたにでも
なつて潰(つぶ)れてしまえバいいに むすこつぶれました 母エエつぶれたエ 親父様のこことて肝(きも)がつぶれました