翻刻
功(いさお)しあり。世(よ)の人(ひと)これを察(さつ)し給(たま)ひと。
その事(こと)のもと故(ゆへ)よしを。聞(きく)がまに〳〵
長(なが)き夜(よ)の。夢結(ゆめむす)ふ間(ま)のつれ〳〵に。そこ
はかとなく。そのあらましを禿筆(きれふて)をもて
かい付侍(つけはべ)りぬ。語路(ごろ)。手爾於葉(てにをは)の違(ちが)ひ
多(おゝ)かるべし。爰家?(しるひと)これをゆるし給ひと
いふ事(こと)しかり。維時(これとき)。明(あき)らかに治(おさま)る御代(みよ)の
廿に又二つを添(そ)ひたる神無月初旬(かんなつきはしめ)
石川茂実
例言
我宮城県管内ニハ温泉四十余ケ所アリ然レトモ温泉
已ニ各々其性ヲ異ニスレハ従テ其主治効能モ共ニ異ナ
ラザルベカラズ故ニ患者ガ該泉ノ効験著シタルヿヲ確
ムル能ハザルモノ往々之カリ芍モ其適当ナルヿヲ理会
セザレハ斯ニ其心ヲ感発スルヤ期スベカラズ因テ此編ハ
余嘗テ年久シク該泉ノ適切ナル病名浴法ヲ手記ス
及ヒ鎌先温泉碑名ヲ解釈ス其他各国雅人ノ詩歌
或ハ鬱散遊歩場トモナルベキ深山幽谷ノ名所又ハ
各県ヨリ道法案内等ニ至ルマテ悉ク絵図面ニ附