翻刻
【OCRのまま/うっかりタイムラインに流してしまいましたが、別に翻刻者も添削者も特に募集しておりません。別の資料の参考程度に作っています】
いをほり出させ。又かも川へかたげ行。川岸に立て一首
大水のさきにながるゝとちがらも
一身をすてゝこそをすてゝこそあれ
こくしがいを川へなげすてゝかづられければ。其/宵親
子の夢に。有がたき御引導にて。今こそうかびける
ぞこて。白雲に打のりてにしのそらに行けれ
ば。みな人有がたくぞおぼえけると也
【山姥の謡を作りて 叡山に 登る事 付 掛字書給ふ事】
『三』一休和尚。山/婆の謡を作り給ひし時。ひゑい山に中
よき人。おはしければ。だんかうにのぼりての給ふは。仏あれ
ば衆生あり。衆生あれば山彼女もありといたしける。この
つぎいかゞせんとの給へば。彼人もさすがの人にて。さだめて
柳はみどり花はくれないとなされつらんと有けれは一休
扨もよく推し給ふ物かな。仰せのごとく。柳はみどり花はく
れなゐの有之。扨人間にあそぶ事と仕候との給へは
さこそといひて興ぜられきまことに同気あいもと
むることはり。いとはづかしかりけり。扨よき折からなり
とて。数山の堂社を拝みめぐり給ひ〳〵に。山法師共
是を聞て。一休はかくれなき能書也。何にても書也
もらはんとて。手に〳〵硯紙を物来りつゝ。頼みしかば。一休
おほしけるは聖道のあて字とかや。定て文盲なる
法師共ならん。何にがな書てとらせんと。いかにもよみがた
き一句を。さら〳〵と一筆に書ちらして。つかはされけれ