翻刻
【右丁】
莎草香附子(しやさうかうふし)
はますげ《割書:本草|和名》
海辺(うみへ)或(あるい)は田野(てんや)にもあり宿根(ふるね)より生(せう)じ苗葉(へうやう)かやつりくさに似(に)たり高(たか)さ七八寸 夏月(なつ)穂(ほ)に#1生(せう)す形(かたち)莞(くわん)
に似(に)て瘠(やせ)小く紫黄色(むらさききいろ)の砕(こまか)き花(はな)あり根(ね)は三稜(みくり)に似(に)て細長(ほそなか)く黄赤皮(かはいろのかは)あり肉(にく)淡褐色(うすうるみいろ)堅実(けんしつ)にして
香気(かうけ)あり宗奭(さうせき)の説(せつ)に根上(こんしやう)或(あるいは)有(あり)或(あるいは)無(なし)といふは根(ね)に塊(かたまり)のあるとなきと云(いふ)ことなり其(その)無(なし)と云(いふ)ものは海辺(うみへ)にあり
宿根(ふるね)より生(せう)し苗葉(へうやう)香附子(かうふし)に似(に)て香気(かうき)ありたゝ花穂(はなほ)円(まる)して#2楊梅(やまもゝ)の如(こと)く根(ね)連蔓(れんまん)すれとも塊(かたまり)なしこれなり
【左丁】
一種
水莎草(すいしやさう)
《割書:救荒本草|磚子苗注》
#3
水生(すいせい)のかやつりくさなり
苗葉(へうやう)三稜(さんれう)に似(に)て陸生(りくせい)
なり長大(てうたい)なり高(たか)さ三四尺
武州(ふしう)不忍(しのはす)の池(いけ)に多(おほ)し
【版心の中央】水莎草