翻刻
【右丁 文字無】
【左丁】
香薷(かうじゆ)
いぬゑ《割書:和名|鈔》
山野(さんや)に多(おほ)し実(み)より
生(せう)す葉(は)は荏(ゑ)に似(に)て狭(せは)く尖(とが)り
秋月(あき)茎(くき)高(たか)さ二三尺 梢(こすへ)に穂(ほ)をなして小紫花(ちいさきむらさきのはな)
を開(ひら)く一方(かた〳〵)へ曲(まか)りて長刀(なきなた)の形(かたち)をなす故(ゆへ)になき
なた香薷(かうしゆ)といふ芬芳焦気(こげくさきにほひ)あり薬用(くすり)にすへし
大葉(おほは)の物(もの)は下品なり
石香薷(せきかうしゆ) いはかうじゆ
山中(さんちう)稀(まれ)にあり形状(かたち)香薷(かうしゆ)に似(に)て小(ちいさ)く花白色なり
【版心の中央】石香薷