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聞(きいて)_三王昌齢(おうしやうれいが)左(さ)_二-遷(せんすと)龍標尉(りやうひやうのいに)_一 ̄ニ遥(はるかに) ̄ニ有(あり)_二此寄(このよせ)_一
楊花落尽子規啼(やうくはおちつきてしきなく)聞道龍標(きくならくりやうひやう)過(すぐと)_二 五溪(ごけいを)_一
我(われ)寄(よせて)_二愁心(しうしんを)_一与(あたふ)_二明月(めいけつに)_一隨(したかつて)_レ風(かせに)直(しきに)到(いたれ)_二夜郎西(やろうのにしに)_一
李白(りはく)
李白(りはく)もとをくにてきいてせめての事にとおもひこのしをつくりよせし也
やうくはもおちつきてはるもつきなんとほつしてほとゝきすもなきはるのひもくれゆくじ
ぶんにはたゝさへものゝかなしいおりからこなたはごけいをすきてりやうひやうあたりへ
ゆかるゝわれもともにいたならはりべつもしよふけれどもはるかにへたてゝいる事
なれはあふこともならすうれいているこのうれいをたれにたのんでこなたにつ
げしらするものもないめいげつはどこもかもてらすなればこれにことづてとゞける
ほどにつきを見るごとにわがうれいをおもひやつてくられい◦くわしくはせうこ
せんちう唐詩せん国字かいとうにあり
現代語訳
王昌齢が左遷されて龍標尉になったと聞いて、遥かに遠いところにいる彼にこの詩を寄せる
楊花落尽子規啼 聞道龍標過五溪
我寄愁心与明月 随風直到夜郎西
楊の花は散り尽きて、ホトトギスが鳴いている。龍標が五溪を過ぎると聞いている。
私は愁いの心を明月に託して、風に随って夜郎の西まで直接届けよう。
李白
李白がもとの国で聞いて、せめてものことと思い、この詩を作って寄せたのである。
楊の花も散り尽きて春も終わろうとする頃、ホトトギスも鳴き、春の日も暮れゆく時分には、ただでさえ物悲しい折から、あなたは五溪を過ぎて龍標あたりへ行かれる。私も共に行くことができれば別れも少しはましであろうが、遥かに隔てている事情なので、会うこともならず憂いている。この憂いを誰に頼んであなたにお伝えしようにも、知らせるものもない。明月はどこをも照らすのだから、これに言づてを託して届けるほどに、月を見るごとに私の憂いを思いやってくれよ。詳しくは『詳註唐詩選国字解』にある。