翻刻!いきもの図鑑

コレクション: 本草図譜(くずし字)

本草図譜. 巻67-69 - 翻刻

本草図譜. 巻67-69 - ページ 37

ページ: 37

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【右丁】  物印忙(うへいんまん)に載(のす)る椰子(やし)の類(るい)にパルマタクナリベラ《割書:羅|甸》ダーデルボーム  《割書:和|蘭》其形は棕櫚(さうりよ)に似(に)て毛なく火蕉(くはせう)の如(こと)き鱗甲(りんかう)あり頂(いたゝき)に葉  を生(せう)す其葉の形 檳榔(ひんろう)に似(に)て長(なか)く葉の本に房(ほう)をなして実(み)  を結(むす)ふ実(み)の大さ胡桃(ことう)の如(こと)く黄褐色(わうかつしよく)桃(もゝ)に似て細(ほそ)く漢土(かんと)  にても椰子(やし)の類(るい)に附(ふ)するものなれは恐くはこの類(るい)ならん 【左丁】 樹頭酒(しゆとうしゆ)《割書:附|録》  注(ちう)に貝樹(はいしゆ)也といへり此(この)貝樹(はいしゆ)は即(すなはち)多羅樹(たらしゆ)なりこの実より採(と)る酒(さけ)也 昔(むかし)  天竺(てんちく)にて梵字(ほんし)を以(もつ)て経文を書する多羅葉(たらやう)これなり《割書:今俗にゆづりはに|似たる木を多羅》  《割書:葉と云これは冬青の属|貝樹とは大に異なれり》この葉蘭人 稀(まれ)に持来り又唐さんとめの間に挟(はさ)みて稀  に渡(わた)ることあり寺院(しいん)什物(しうもつ)とするものには梵文を書するものあり葉 全(まつた)き  ものは長(なか)さ四五尺 闊(ひろ)さ五寸 許(はかり)にして厚(あつ)く枯(かれ)て褐色なり中に大筯#1あり脈  みな縦(たて)にとをりて万年青(おもと)の葉の如(こと)し翻訳名義集(ほんやくめうきしう)に西域記(せいいきき)を引(ひい)  て南印建那補羅国 北(きた)《振り仮名:不_レ遠|とほからす》《振り仮名:有_二多羅樹林_一|たらじゆりんあり》三十余里(さんしうより)其葉(そのは)長(なかく)広(ひろく)其  色 光潤(くはうじゆん)諸(しよ)国書(こくしよ)写(しやに)《振り仮名:莫_レ不_二釆用_一|とりもちひさるなし》と云古今注に緬(めん)人《振り仮名:取_二其葉_一|そのはをとり》写書(しやしよ)す  と云これ也蘭山説にこの葉を竪(たて)に細(ほそ)く切席に織(を)りたるをアンペラ《割書:常|正》  《割書:蛮語の|転也と云》と云 東西洋考(とうさいやうかう)に貝多羅簟(はいたらてん)と云これ也物印忙椰子の属(たくひ)  の中にパルマギュイネーシンスヒニヘラ《割書:羅|甸》ウヱインケーヘンケパルムボーム#2  と云ものあり樹皮 滑沢(くわつたく)にして芭蕉(はせう)に似(に)たり樹の頂に数葉(すうやう)叢(さう)  生す其葉(そのは)長(なか)ふして先円く万年青(おもと)に似て長大又 洋葱葉(やうさうやう)《割書:はまを|もと》に  似て又 尖(とか)らす葉中 房(ぼう)をなして実を結(むす)ふ大さ一寸余 円(まる)くして長(なか)みあり