翻刻
【右丁】
和産(わさん)なし古渡(こわた)りは二三十年 絶(たへ)て来(きた)らす文政元年に新渡(しんと)多(おほ)くあり
殻(こく)大さ八九分形 檳榔子(びんろうし)の如(こと)く皺紋(すうもん)ありて犀皮に似て黄褐
色これを破(やふ)れは肉(にく)核(かく)について棗肉(さうにく)如(こと)し味(あしはひ)甘(あま)し核(かく)は指頭の
大さ脂多し竜眼(りうがん)#1の核(かく)に似(に)て長(なか)し茘枝(れいし)竜眼(りうがん)#1みな日を経(ふ)れは
色 味(あしは)ひ変(へん)するもの也 生(なま)なるときは甜水(あまきみつ)殻中(こくちう)に満(みち)てあるよ
し也樹は南方(なんほう)暖国(たんこく)嶺南(れいなん)の産(さん)にして寒地(かんち)にはなし茘枝の
ことは蔡裏か茘枝譜及ひ閩書の南山志に詳なり茘枝
の写生するもの琉球(りうきう)より来るこれを視るに葉は木患子(むくろし)に似
て深緑色其花 穂(ほ)をなして開(ひら)くときは白色実は房をなして
葡萄(ふとう)の如し天保年中に小木来る高(たか)さ一尺余枝葉互生
し木槵子(むくろし)の形に似て葉は一茎に六葉対生し木楼子#2の
葉より稍(やゝ)厚(あつ)し
【左丁】
同
初生(はへたち)の
図