翻刻
【右丁】
和産なし近年 琉球(りうきう)より来り今世に多(おほ)し小木にして葉は桂(けい)に似て短
く三の縦紋(たてすし)あり対(たい)生をなし茎葉ともに黄褐毛あり夏月枝の梢(こすへ)
に五弁の淡紫色の花を開く頗(すこふ)る木槿花に似たり実は石榴(せいりう)#1に
似て指頭(しとう)の大さ鼻(はな)四弁あり熟して紫黒色となる時珍(しちん)の説に花
似蜀葵(しよくきにゝて)紫子頭上(むらさきみのかしらのうへに)有四葉(しやうあり)といふに符合(ふかう)す
一種 はしかんぼく
文政年中 琉球(りうきう)より来る形状(かたち)野牡丹(やほたん)の如くにして小く葉の幅(はゝ)三四分
長さ七八分 茎葉(けいやう)ともに紅色の毛剌(もうし)#2あり秋月梢に花を開(ひら)く淡紅
色大さ三四分紅色の蕊(すい)あり枝を挿(さし)て能く活(くわつ)す
【左丁 文字無】