翻刻
【右丁】
処々(しよ〳〵)山野に多し高(たか)さ一二丈 枝(ゑた)密(みつ)に生し葉は小く円く両頭(れうとう)尖(とか)り互生し春月葉
の間に五弁の小き白花を開く形(かたち)柚(ゆ)の花に似て蔕の茎長し随(したかつ)て実を結(むす)ふ櫧(ちよ)
子(し)の如し核(かく)は榧(かや)の子に似て黄赤色 仁(にん)は白色也此 実(み)をやまがら好(このん)て食ふ此材(このさい)は
軟(やわらか)にして白色 傘(からかさ)の轆轤(ろくろ)に作る
一種
苗小にして梢に
一花を開く物
【左丁】
一種 はくうんぼく をほば《割書:日|光》 をほかめのき《割書:奥|州》
玉鈴花(きよくれいくは)《割書:広群芳譜黄|海山花図詠》
越後魚古郡#1及ひ日光足尾山等にあり葉 円(まる)くして大さ三四寸
浅き鋸歯(かゝり)あり厚(あつ)くして背(はい)に白毛あり枝の梢に穂(ほ)をなして
五弁の小白花を開(ひら)き形状ちしやのきの花に似たり実の形
又ちしやのきの実に似たり今 花家(うへきや)多(おほ)く育(いく)す砧(たい)には前条
のゑこのきを用ゆ