翻刻
さてばけものゝ出るときは
ものさびしきものなるに
にわかになにかにぎやかになりて
わや〳〵がや〳〵とゆやじようるりを
うたひ出す〽いたこすくよなうわきな
おまへテト〳〵〽ころしもはげしき山あらし
〽のふ〳〵その女こそげんじがた〽なんときいたり
さくら丸〽がつてん〳〵せきひじやうじゆ
なすには〽■兵衛が身はたいせつ
〽一合取ってもさむらいの家に生れた
十郎兵へどの〽金ゆゑだいじの
忠兵へさん〽かねにうらみはかず〳〵
ござる〽尾上はいとゞしやくり上
〽ちいさい子どもかなんぞの
やうに〽高砂やァ〽さんげ
さんげ六こんしよう〴〵と
大さわぎになるしやらくさい
こゑあつてかたちなきは
だんなばけものかゆけに
あがらぬうちはやく出ろと
いへばまつかなこぞうひよろ〳〵して
のたくり出わつちやァねゆやにいる
あかなめこぞうのばけものでござりやすが
にんげんに出あつて目をまわしやした
みづをいつぺいのまして [つぎへつゞく]