翻刻
【見開き 挿図】
【右丁】
一種
はごろもさう
苗葉(へうよう)ともにのこきりさうより柔(やはらか)に弱(よは)く
葉(は)の鋸歯(かたり)細(こまか)く下(した)に垂(たる)花(はな)は白色(はくしよく)にて小(せう)也
艾(かい) よもぎ
種類(しゆるい)多(おほ)く山野(さんや)に自生(しせい)多(おほ)し凡(およそ)艾(かい)の葉(は)は菊に似て挾(せは)
く尖(とかり)あり面(おもて)緑色(みとり) にて背(うしろ)に白毛(はくもう)あり秋月 茎(くき)高(たか)さ
【左丁】
二三尺 梢(こすへ)に穂(ほ)をなす形(かたち)青蒿(せいかう)に似(に)て粗(あら)く苗葉(へうやう)を
採(とり)乾(かはか)し舂(つき)て熟艾(もくさ)を製(せい)す又 秋月(あき)枝(ゑた)幹(みき)の間(あいた)に塊(かたま)り
を生(せう)じ草綿(わた)の如(こと)くなるを蒿癭(かうゑい)《割書:本草|和名》と云(いふ)茲(こゝ)に圖(づ)
する處(ところ)は江戸 駒塲(こまば)の官園(くわんゑん)にありて蘄艾(きんかい)と称(せう)する
ものなり華夷(くはい)花木(くはほく)考に云(いう)蘄艾(きんかい)葉(は)厚而(あつくして)綿(めん)多(おほし)
本地(ほんち)所有(するところの)者(もの)葉(は)薄而(うすくして)綿(めん)少(すくなし)といへり