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【見開き 挿図】
【右丁】
一種 ちやほけいとう
苗(なへ)矮短(わいたん)にして五六寸にて花(はな)
を開(ひら)く形(かたち)やりけいとうの如(こと)
し漢名(かんめい)寿星(しゆせい)雞冠(けいくわん)《割書:群芳|譜》
一種 にしきけいとう
ちやほけいとうの類にて葉
に白斑(しろきまたら)ありて頗(すこふる)鳫 来紅(らいこう)の
如(こと)く花(はな)はやりけいとうの如(こと)し
【左丁】
紅藍花(こうらんくは) くれのあい《割書:和名|鈔》
即(すなはち)べにはなかり自生(じせい)なし羽州(はしう)最上(もかみ)にて多(ほほ)く作(つく)る秋月(あき)実(み)を種(うる)小薊(のあさみ)の葉(は)に似(に)て小く岐(また)なし茎(くき)高(たか)さ
三四尺 梢(こすへ)に二三 蒂(てい)を生(せう)す形(かたち)木花(おけら)に似(に)たり花(はな)初(はしめ)黄色(きいろ)後(のち)紅色(あかいろ)となる早朝(そうてう)に花弁(はなへら)を摘(つみ)て薬用(くすり)とし
又 蕪脂(へに)を製(せい)す後(のち)毬中(きうちう)に実(み)を生(せう)す白色(しろいろ)にして一方 尖(とか)りあり種となして又(また)油(あふら)をしほる
番紅花(はんこうくは) チヤフラレ《割書:羅|甸》 サフラーン《割書:同|上》
今(いま)略(りやく)してさふらんといふ和漢(わかん)ともになし蛮国(はんこく)の産(さん)なり和蘭(をらんた)の書(しよ)物印忙(うへいんまん)に着色(さいしき)の図(つ)数種(すしゆ)あり
其(その)種類(しるい)の形状(けいしやう)葉(は)は山慈姑(さんしこ)に似(に)て細(ほそ)く根(ね)山慈姑(さんしこ)水仙(すいせん)等(とう)に似(に)たり中心(ちうしん)一茎(いつけい)を抽(ぬきんし)て末(すへ)に一花(いつくは)を開(ひら)く
六弁(むへら)形(かたち)山慈姑(さんしこ)に似(に)て大さ二寸 許(はかり)紫色(むらさきいろ)なり或(あるい)は黄(き)或は白色(しろいろ)にして紫の斑(またら)あるもあり花(はな)の中(なか)に紅赤(かさん)
色の三菜ありこれを採(とり)薬用(やくやう)とす肥前(ひせん)長崎(なかさき)中嶋氏(なかしまうち)云サフラン二品(にひん)あり単(ひとへ)にさふらんと呼(よ)ふときは山(さん)
慈姑(しこ)に似たる草(くさ)にして番紅花(はんこうくは)にてはなし紅毛(おらんた)にていんでやさふらんといふ物(もの)寛政(くはんせい)十二申年 始(はしめ)て紅毛(こうもう)
小舩(せうせん)より帯来(をひきた)る漢渡(かんと)の物(もの)より鮮紅色(せんこうしよく)にして香気(かうき)強(つよ)く弁長し上品なりこれ綱目(こうもく)の番紅花(はんこうくは)なりさふ