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コレクション: STAGE1

熱海獨案内 全 - 翻刻

熱海獨案内 全 - ページ 22

ページ: 22

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用(よう)に供(けう)す又|別(べつ)に一|槽(さう)を高處(かうしょ)に置(を)き底(そこ)或(あるひ)は横(よこ)に小口(こぐち)を開(ひら)き 栓(せん)を用(もち)ゐて其(その)開閉(かいへい)を自由(じゆう)にし以(もつ)て局部(きょくぶ)の定(さだ)まれる患者(くわんしゃ)の 滴浴(ゆたき)に備(そな)ふる者(もの)あり《割書:近来樋口忠助屋後に一土窟を穿ち土中に含む|所の温氣を取て蒸湯となす又浴療の一法なる》 《割書:べ|し》 ○旅人宿(はたごや) 小川《割書:浜|町》松屋《割書:小澤|町》福井屋《割書:浜|町》小倉《割書:崎見|町》最近(もより)の混同(さう) 浴室(ゆ)を用(もちゐ)て旅客(りよかく)の混浴(こんよく)に供(けう)す ○噏滊館(きうきくわん) 大湯(おほゆ)泉窟(わきくち)の傍側(かたはら)に沿(そふ)て之を建(た)つ故(もとの)大相國(だいせうこく)岩(いは) 倉公(くらこう)噏滊(きうき)の病患(べうくわん)に奇効(きこう)あるを察(さつ)せられ官寮(くわんれう)に相謀(あひはか)りて創(そう) 立(りつ)せしめらるゝ|所(ところ)なり衛生局長(ゑいせいきょくちやう)長與(ながよ)専齋(せんさい)宮内省(くないせう)三|等(とう)出仕(しゆつし) 肥田(ひだ)濱(はま)五|郎(らう)諸氏(しょし)専(もつぱ)ら事(こと)に此(こゝ)に従(したが)ひ明治(めいぢ)十八|年(ねん)二月|始(はじめ)て其(その) 館(くわん)を開(ひら)く噏滊場(きうきぜう)は其(その)建築(けんちく)尤(もつと)も壮麗(そうれい)にして場(ぜう)の中央(ちうわう)に機関(きくわん) を設(もふ)け大湯(おほゆ)沸騰(ふつとう)の度毎(たびごと)に其(その)蒸滊(ぜうき)を場中(ぜうちう)に引(ひ)き患者(くわんじゃ)をして 其中(そのうち)に呼吸(こきう)せしむ又(また)浴室(よくしつ)を構(かま)へ病症(べうせう)に従(したが)ひて兼(かね)て之(これ)に浴(よく) せしむ館内(くわんない)に浴醫局(よくいきょく)あり浴醫長(よくいてう)一人(いちにん)属員(ぞくゐん)数人(すにん)を置(をき)て各温(かくおん) 泉宿(せんやど)に在浴(ざいよく)せる患者(くわんじゃ)の来診(らいしん)を接(せつ)し處方箋(しょほうせん)を與(あた)へ噏滊(きうき)及(およ)び 浴療(よくれう)の方法(ほう〳〵)等(とう)を指示(しゞ)す 又(また)館内(くわんない)に温泉場(おんせんぜう)取締(とりしまり)詰處(つめしょ)あり正副(せいふく)取締(とりしまり)二名(にめい)属員(ぞくゐん)数名(すめい)を置(おき) て温泉場(おんせんぜう)改良(かいれう)事務(じむ)其他(そのた)すべて衛生上(ゑいせいじやう)に関(くわん)する諸務(しょむ)を辨理(べんり) する所(ところ)となす凡(およ)そ病患(べうくわん)ありて熱海(あたみ)に到(いた)る者(もの)は必(かな)らす噏氣(きうき) 館(くわん)に往(ゆき)て診察(しんさつ)を請(こ)ふを可(よし)とす然(しか)るときは能(よ)く其(その)病症(べうせう)に応(おう) じて浴療(よくれう)の適度(てきど)を得(う)べく且(か)つ兼(かね)て服薬(ふくやく)することを得(う)べし 往(ゆき)て診察(しんさつ)を請(こ)ふ者(もの)は金(きん)十|銭(せん)以上(いじやう)を納(おさ)むるを法(ほふ)とす歩行(ほこう)し