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コレクション: コレクション5

BnF. Département des Manuscrits. Japonais 1195 - 翻刻

BnF. Département des Manuscrits. Japonais 1195 - ページ 14

ページ: 14

翻刻

   閔(びん)‾損(そん) 単(たん)‾衣(い)順(じゆんにす)_レ母(はゝを) 閔損(びんそん)字(あざな)は子(し)‾騫(けん)は。孔(こう)‾子(し)の御弟(おんてい)‾子(し)。十(じつ)‾哲(てつ)の一(いち)‾人(にん)にて。孝(かう)なる哉(かな)。 と。孔(こう)‾子(し)のほめさせ給(たま)へる人(ひと)なり。幼(いとけなく)して母(はゝ)におくれたり。後(のちの)母(はゝ) 二(に)‾人(にん)の子(こ)ありて。己(おの)が子(こ)を愛(あい)し。閔(びん)‾損(そん)を悪(にくみ)て。冬(ふゆ)の裘(きるもの)には。芦(あし)の 穂(ほ)を綿(わた)として着(き)せけれども。いさゝかも恨(うらみ)とせず。専(もつは)ら孝(かう)‾敬(けい)を尽(つく)さ れける或(ある)_日(ひ)父(ちゝ)他(よそ)へ行(ゆく)に。閔(びん)‾損(そん)に御(ぎよ)とて。車(くるま)のわきに傍(そひ)て。馬(うま)を 御事(つかふこと)を命(いひつけ)しに。肌(はだへ)寒(こゞり)てつとむる事あたはざりしより。其(その)衣(きるもの) 薄(うす)く。芦(あし)の穂(ば)【ほヵ】を綿(わた)としたるを見て。大(おほい)に怒(いか)り。継(まゝ)_母(はゝ)を去(さら)んといふに。 閔(びん)‾損(そん)父(ちゝ)をいさめて言(まうし)けるは。母(はゝ)いませば。我(われ)一(いち)‾人(にん)寒(さむ)くて二(に)‾子(し)は温(あたゝか)に。 母(はゝ)もしいまさゞれは。二(に)‾子(し)を養(やう)‾育(いく)するものなくて。三(さん)‾子(し)ともに寒(さむ) からんと。とゞめければ。父(ちゝ)も其(その)理(ことわ)りを聞(きゝ)_入(い)れ。母(はゝ)も愧(はぢ)_悔(くやみ)て。三子(さんし)をひ としく慈(じ)‾愛(あひ)しけるとなり。是(これ)至(しい)‾孝(かう)の人(ひと)を感(かん)ぜしむる所(ところ)なり