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コレクション: コレクション5

BnF. Département des Manuscrits. Japonais 1195 - 翻刻

BnF. Département des Manuscrits. Japonais 1195 - ページ 16

ページ: 16

翻刻

   仲(ちう)‾由(いう) 為(ために)_レ親(おやの)負(おふ)_レ米(こめを) 仲(ちう)‾由(いう)字(あざな)は子(し)‾路(ろ)。泗(し)‾水(すゐ)の人(ひと)。其(その)_性(うまれつき)勇(ゆう)をこのむ。孔(こう)‾門(もん)十(じつ)‾哲(てつ)の一‾人也。 家(いへ)_貧(まづ)しうして。常(つね)に藜(あかさの)藿(まめのは)を食(しよく)とし。人(ひと)にやとはれ。百里《割書:凡(およそ)此(この)_方(はう)の|十‾里/余(よ)也》 の遠(とほ)きよう。米を負(せお)ひはこび。身(み)を苦(くる)しめ。其_賃(ちん)をとりて。両(ふた)_ 親(おや)を養(やしな)ひけり。父(ちゝ)_母(はゝ)没(ぼつ)して後(のち)。楚(そ)‾国(こく)につかへ。大(だい)‾功(こう)を立(たて)て。 富貴(ふうき)の身(み)となり。常(つね)に鼎(かなへ)をつらねて食(しよく)し。粟(あは)を積(つみ)_蓄(たくは)ふ 事(こと)万(まん)‾石(こく)に及(およ)び。出(いづ)るに百(ひやく)‾輛(りやう)の車(くるま)をしたがへ。居(ゐ)るに錦(にしき)の菌(しとね)【茵ヵ】 を重(かさ)ね。栄(えい)‾耀(えう)こゝろにかなはざる事(こと)なし。しかれどもこれを よろこびとせず。猶(なほ)昔(むかし)のごとく。藜(れい)藿(くわく)を味(あぢ)はひ。わつかの賃銭(ちんせん)に 身(み)を労(らう)しつゝ。父母につかへ奉(たてまつ)りたく思(おも)へとも。是(これ)のみ心(こゝろ)にかなはず と。常(つね)に涙(なみだ)を流(なが)してなげかれけり。孔(こう)‾子(し)これを聞(きこし)_召(めし)て。生(いけ)るにつ かふるに力(ちから)を尽(つく)し。死(し)せるにつかへて思(おもひ)を尽すもの也と。称(しよう)‾美(び)し給(たま)ひけり