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コレクション: コレクション5

BnF. Département des Manuscrits. Japonais 1195 - 翻刻

BnF. Département des Manuscrits. Japonais 1195 - ページ 30

ページ: 30

翻刻

   朱(しゆ)‾寿(じゆ)‾昌(しやう) 棄(すてゝ)_レ官(くわんを)尋(たづぬ)_レ母(はゝを) 宋(そう)朱(しゆ)‾寿(じゆ)‾昌(しやう)七(しち)‾歳(さい)の比(ころ)。父(ちゝ)新(あらた)に美(び)‾女(ぢよ)を娶(めとり)て。寿(じゆ)‾昌(しやう)が母(はゝ)を去(さり) ける。それより母(はゝ)を見ざる事をかなしみなげきて。一(いち)‾日(にち)もわす れざりけり。しかれども父(ちゝ)又(また)後(のちの)_母(はゝ)につかへて。孝(かう)‾道(だう)を尽(つく)し。父(ちゝ)存(ぞん)‾ 生(じやう)のうちは。一(いつ)‾旦(たん)離(り)‾別(べつ)し給(たま)へる母(はゝ)なれば。父(ちゝ)への無(ぶ)‾礼(れい)。後(のちの)_母(はゝ)への はゞかりをおもひ。心(こゝろ)の中(うち)にのみ。深(ふか)く慕(した)ひて。いさゝかも色(いろ)に出(いだ) さず。五(ご)‾十(ぢふ)‾年(ねん)を経(へ)て。官禄(くわんろく)をすて。天(てん)に誓(ちかひ)て謂(いへら)く。我(われ)若(もし)母(はゝ) のながらへ在(いま)さすして。逢(あひ)奉(たてまつ)らずば。再(ふたゝ)び家(いへ)にかへり。世(よ)に交(ましは)るべ からずとて。行(ゆく)_方(へ)をもとめけるに。からうじてたつね逢(あひ)けり。 此(この)_時(とき)母(はゝ)の齢(よはひ)七(しち)‾十(ぢふ)を踰(こえ)けれども。猶(なほ)寿(ことぶき)をたもちて。めぐり逢(あひ) ける事。孝心(かうしん)のまめなるが故(ゆゑ)ならずや。遂(つひ)に朝(み)‾廷(かど)に聞(きこ)えて。 顕(けん)‾官(くわん)厚(かう)‾禄(ろく)を賜(たまは)りしとなん。実(じつ)に神(しん)‾宗(そう)皇(くわう)‾帝(てい)熈(き)‾寧(ねい)‾中(ちう)の事(こと)也(なり)