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コレクション: コレクション5

BnF. Département des Manuscrits. Japonais 1195 - 翻刻

BnF. Département des Manuscrits. Japonais 1195 - ページ 36

ページ: 36

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   楊(やう)‐香(きやう)  搤(とらへ)_レ虎(とら)救(すくふ)_レ父(ちゝを) 楊(やう)‾香(きやう)は。魯(ろの)_国(くに)にて。楊(やう)‾豊(ほう)といへるものゝむすめなり。幼(いとけなき)より孝(かう)‾心(しん) 深(ふか)く。父(ちゝ)につかへてしばらくも離(はな)れず。或(ある)‾時(とき)父(ちゝ)にしたがひて。山(やま)に 入(いり)て薪(たきゞ)を採(と)るに。大(おほき)なる虎(とら)来(きた)りて父(ちゝ)を食(くら)【くらわヵ】んとす。父(ちゝ)刀器(きれもの)をも 持(もた)ざれば。防(ふせ)ぐべき便(たより)なく。たゞ声(こゑ)をかぎりにたすけよと叫(さけ)び ければ。時(とき)に楊(やう)‾香(きやう)年(とし)十‾五なるが。父(ちゝ)の声(こゑ)を聞(きゝ)て驚(おどろ)きかけ 来(きた)り。少(すこ)しもおそれず。虎(とら)にむかひ涙(なみだ)をながし。我(われ)を害(がい)して。父(ちゝ) を助(たす)けくれよと。猛(たけ)く怒(いか)れる。虎(とら)の首(くび)_筋(すぢ)に飛(とび)かゝり。いだき付(つき) ければ。虎(とら)敢(あへ)て食(くらは)んともせず。かへつておそれふりはなち逃(にげ)たり けりとぞ。其(その)_所(ところ)の太(たい)‾守(しゆ)孟(まう)‾肇(てう)‾之(し)といふ人(ひと)。此(この)_事(こと)を聞(きゝ)て。大(おほき)に 称(しよう)‾歎(たん)し。楊(やう)‾香(きやう)に米(こめ)をあたへ。其(その)名(な)をあらはされけり。誠(まこと)に孝(かう)‾子(し) の志(こゝろざし)には猛(たけ)き獣(けもの)も敵(てき)する事(こと)あたはざるは。天(てん)の擁(おう)‾護(ご)し給(たま)へる故(ゆえ)也(なり)