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コレクション: コレクション5

BnF. Département des Manuscrits. Japonais 1195 - 翻刻

BnF. Département des Manuscrits. Japonais 1195 - ページ 40

ページ: 40

翻刻

   黄(くわう)‐香(きやう)  扇(あふき)_レ枕(まくらを)温(あたゝむ)_レ衾(ふすまを) 後(ご)‾漢(かん)の黄(くわう)‾香(きやう)字(あざな)は文(ぶん)‾強(きやう)は。経(けい)‾典(てん)を学(まな)び。道(だう)‾術(じゆつ)を究(きは)め。文(ぶん)‾章(しやう)を 能(よく)するを以(もつ)て。其(その)_名(な)高(たか)し。九(く)‾歳(さい)の時(とき)。母(はゝ)を失(うしな)ひ。其(その)_悲(かなし)みに。や せおとろへ。命(いのち)も危(あやふ)きに至(いた)れり。素(もとよ)り家(いへ)_貧(まづしう)して。婢(めし)‾僕(つかひ)なければ。 父につかへて。躬(みづか)ら力(ちから)を竭(つく)し。夏(なつ)の暑(あつ)き頃(ころ)は。夕(ゆふべ)に床(とこ)を扇(あふ) ぎ。枕(まくら)を涼(すゞ)しくし。冬(ふゆ)の寒(さむ)き夜(よ)は。床(とこ)のひやゝかならん事(こと)を おもひ。身(み)を以(もつ)て床(とこ)。又(また)は衾(ふすま)をあたゝめて。父(ちゝ)を臥(ふ)さしめ。うし ろをつくろひ。すそをおさへ。夜(よ)の中(うち)には。二三/度(ど)もおきて。これ をうかゝふなど。侍(じ)‾養(やう)するを以(もつ)て。其(その)_名(な)世(よ)にかくれなく。朝(てう)‾廷(てい)に つかへて。尚(しやう)‾書(しよ)‾令(れい)魏(ぎ)‾郡(ぐんの)太(たい)‾守(しゆ)に至(いた)り。子(こ)の黄(くわう)‾瓊(けい)。其(その)子(こ)‾孫(うまご)みな高(かう)‾ 官(くわん)に昇(しよう)‾進(しん)せり。礼(らい)‾記(き)に。為(たる)_二 人(ひとの)_子(こ)_一之(の)_礼(れい)。冬(ふゆ)_温(あたゝめ)而/夏(なつは)_清(すゞしくし)。昏(ゆふべに)_定(しづめ) 而/晨省(あしたにみまふ)矣といへるは。孝(かう)‾子(し)勤(つとむ)る所(ところ)にして。黄(くわう)‾香(きやう)の如(ごと)き是(これ)也(なり)