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コレクション: コレクション5

BnF. Département des Manuscrits. Japonais 1195 - 翻刻

BnF. Département des Manuscrits. Japonais 1195 - ページ 46

ページ: 46

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   蔡(さい)‐順(じゆん)  拾(ひろひて)_レ椹(くはのみを)供(きやうす)_レ親(しんに) 後(ご)‾漢(かん)の蔡(さい)‾順(じゆん)字(あざな)は君(くん)‾仲(ちう)は。汝(ちよ)‾南(なん)の人(ひと)なり。幼(えう)‾少(せう)にて父(ちゝ)にはなれ。母(はゝ) につかへて。孝(かう)を尽(つく)せり。此(この)_時(とき)王(わう)‾莽(まう)といふ逆(ぎやく)‾臣(しん)。天(てん)‾下(か)をぬすみて。兵(ひやう)‾ 乱(らん)うちつゞき。飢饉(ききん)しければ。母(はゝ)の養(やしなひ)のために。椹(くはのみ)を拾(ひろ)へり。其(その)_器(いれもの) を二(ふた)ツ持(もち)て。実(み)の赤(あか)きと黒(くろ)きと。別(べつ)にして盛(いれ)るを。赤(せき)‾眉(び)の賊(ぞく) といへる盗(ぬす)_人(びと)ども見(み)て。別(べち)‾々(〳〵)にするは如何(いか)なる事(こと)と問(と)ふ。蔡(さい)‾順(じゆん)答(こたへ)て。 黒(くろ)きは熟(じゆく)して。味(あちはひ)甘(あま)き故(ゆゑ)。母(はゝ)の養(やしな)ひに供(そな)へ。赤(あか)きは熟(じゆく)せざるゆゑ。 己(おの)が食(しよく)とするといふに。さしもの悪(あく)‾賊(ぞく)も。孝(かう)‾心(しん)を感(かん)じて。米(こめ)二斗(にとう) 牛(うし)の片(かた)_股(もゝ)を与(あた)へて去(さり)けり。其後(そのゝち)母(はゝ)死(し)していまだ葬(をさめ)ざるに。燐(りん)‾家(か) より火(ひ)出(いで)て。のがれがたく見えければ。蔡(さい)‾順(じゆん)。棺(くわん)を抱(いだ)き。哭(なき)_號(さけ)び。天(てん) にいのりければ。火(ひ)遂(つひ)に蔡(さい)順(じゆん)か宅(たく)を越(こ)して。他(た)の家(いへ)にうつりける となん。諸(しよ)‾人(にん)其(その)孝(かう)‾感(かん)の奇(き)‾特(とく)をたふとみけり