翻刻
【右丁】
自_二薊北_一帰 ̄ル
高適
駆 ̄ル_レ馬 ̄ヲ薊門 ̄ノ北々風
辺馬哀 ̄ム蒼茫 ̄タリ遠
山 ̄ノ口 ̄リ豁達 ̄トシテ胡天開 ̄ク五
【左丁】
将已 ̄ニ深 ̄ク入 ̄リ前軍止 ̄タ半 ̄ハ
廻 ̄ル誰 ̄レカ憐 ̄ム不 ̄シテ_レ得_レ意 ̄ヲ長
剣独 ̄リ帰 ̄リ来 ̄ルコトヲ
《割書:北■書【印】|》
《割書:○むまをかるけいもんのきた。ほくふうへんばかなしむ。さうばうたりゑんざんのほとり。くわつたつ| としてこてんひらく。ごしやうすでにふかくいり。せんぐんまたなかばかへる。たれかあわれむこゝろを| ゑずして。ちようけんひとりかへりきたることを》
《割書: 敗軍のにげあしの事ゆへむまもかなしみ追立て薊門の北より帰る山路のいり口に入てみれば| はてしもみへぬゆへこれはならぬと馬をおい立て出たれば豁達とおしひらいたる所へ出てみれば| やはり胡の地じやとおどろくやうすを云さて此度のいくさのまけになつたは先手の大しやうが| 深入をしてうち死をしたゆへじやこのやうにすご〳〵と大わきざしをさして帰るといふは無| 念なと思へどもたれもあわれみなぐさめてくれるものはあるまい》