翻刻
【右丁】
野望 王績
東皐薄暮 ̄ニ望 ̄ム徙倚 ̄トシテ
欲_二何 ̄クニ依 ̄ント_一樹々皆秋色山々
惟落暉牧人駆 ̄テ_レ犢 ̄ヲ返 ̄リ
【左丁】
獵馬帯 ̄ヒテ_レ禽 ̄ヲ帰 ̄ル相 ̄ヒ顧 ̄テ
無_二相識_一長歌懐 ̄フ_二
采薇 ̄ヲ_一 《割書:葬弃隠士玄芝書之》
【印「■■居」「玄芝」】
《割書:○とうかうはくぼにのそむ。しいとしていづくによらんとほつす。じゆ〳〵みなしうしよく。さん〴〵| たゞらくき。ぼくじんとくをかつてかへり。りやうばきんをおびてかへる。あいかへりみるにあいしるなし| ちやうかさいびをおもふ》
《割書: くれかた只ひとり東方のおかやまへきて人家もない野外をのぞみ見てより所もなくぶらりとして| 居るにつねさへものさびしひにやま〳〵は秋の色をもよほし夕日かげのていもあはれにおもはるゝ| をくをみれば夕ぐれゆへうしを先たてゝかへるもあり狩人は馬のくらにとりけだものをくゝりつけて| かへるがちかづきてもなければたれを相手にかたるものもない此やうにたよりもなくなるものかい| にしへはくい【伯夷】が無道をかなしんでさいびの詩をうとふたと同し事じや》