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翻刻
【右項】
所なく実地を糺し是を八郡に分ち所々
絵を模写し大部之名跡考若干巻編
集記録方第一等之秘蔵たりしも尚
王政御復古廃藩置県之際此諸史なか
らんには奈何せん従来種々之名家之雑誌
数多ありしも皆旧藩中之記聞雑誌謾録等
なり然るに名蹟考之如きは
御一新之此期に至り古事記臆之ものも絶
果たま〳〵旧記持伝有しも人気薄情に
変化し尽く反古となりて披索に便るへき
【左項】
書なくして今更編纂可相成書籍にあらす
斯く旧藩には越藩史略の世譜を蔵め
国の為には名蹟考の宝籍を遺されし大功は
古来ゟ有名の諸大家連之著名すと雖も
各夫々之学才芸能等之美名を賞賛する
のみにて永世へ遺る抜羣之勲功に於ける
学文上之厚薄は不知外に比較すへき人
あらじ