翻刻
|三世相出雲当座帳(さんぜさういづもたうざちやう)
曉花園
悟蝶作
一猛斎
芳虎画
弘化三丙午春 錦橋堂上梓
三世相出雲当座帳序
|去年(きよねん)の|趣向(しゆかう)は|古(ふる)めかしく。|今年(ことし)|売出(うりだ)す|新作(しんさく)もの。又
|來年(らいねん)はどうがなと。|思(おも)ひついたる|三世相(さんぜさう)。|是(これ)も|他生(たしやう)のゑん
やらやつと。|馬鹿毛(ばかげ)の|筆(ふで)にぬたくらせ。むだを|出雲(いづも)の|当坐帳(たうざちやう)。
ちよつと|御覧(ごらん)なお|娘(じやう)さん。|五性(ごしやう)だからお見せなも。|能出来(よくでき)て
|居(ゐ)ると御ひいきの。|縁(ゑん)を|結(むす)ぶのおかみさん。|鷄鳴告(けいめいつぐ)る|曉(あかつき)の。|烏(からす)と
|俱(とも)にかはふ〳〵も。|初編(しよへん)より|続(つゞい)て|御縁(ごゑん)の。|二篇三篇板元(にへんさんへんふみや)が
|勇(いさ)む|午(うま)の春(はる)。|轡(くつわ)の|音(おと)のかしましく。|唯口(たゞくち)まめにどん〳〵と|太鼓(たいこ)を
|打事(うつこと)しかり
弘化二乙巳仲夏
稿本 同冬上梓 曉花園悟蝶