翻刻
【右丁】
木蓮(もくれん)は人家 稀(まれ)に栽(うゆ)蔓(つる)に鬚(ひけ)ありて木石に粘着(ねんちやく)す年(とし)を経(ふ)る物(もの)は根(ね)樹(き)
の如(こと)し葉(は)は柯樹(しい)に似(に)て厚(あつ)く光沢(つや)あり白汁出つ蔓(つる)の梢(こすへ)枝(ゑた)の間(あいた)に花なくして
実(み)を結(むす)ふ形(かたち)無花果(むくはくわ)《割書:いちゞ|く》に似(に)て狭(せは)く長(なか)く母指(おほゆひ)の大さ熟(しゆく)すれは紫黒色(しこくしよく)中
空(うつろ)にして細子(こまかきみ)皮(かは)の裏(うち)に附(つき)味(あしはひ)甘(あま)し
【左丁】
一種 ひめびたい
蔓(つる)細(ほそ)くして木石に貼(てう)し細葉(さいやう)
二三分にて皺(しは)あり年を経(ふ)る
物(もの)漸(やうやく)蔓(つる)指(ゆひ)の大さ此実(このみ)花な
くして結(むす)ふ形(かたち)木蓮(もくれん)と同(おな)し
【版心の中央部】
ひめひたい