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翻刻
【壱枚目】
安政六年二月廿二日 禁売買
青山より
四ツ谷新宿 大火場所明細附
雑司ケ谷
鳥羽辺迄
【二枚目】
一焼場長サ 二月十四丁ヨ
一同横巾 平均十一丁
一家数 凡八万五千 ヨ
一土蔵 三百二ケ所
一橋 七ケ所
一神社仏閣 数不知
一死人 二百人余
一怪我人 数不知
【三枚目】
一
頃は安政六年未の年二月廿二日
かはんに青山原宿町辺ゟ出火
して雑司谷護国寺迄焼行
たるは四谷之大火にをる事三
倍にも至らんとす実に春の夜の
夢ばかりなる其間に如此/延焼(えんせう)する
こと/不思議(ふしぎ)なれ/観象図説(かんしやうづぜつ)に日
馬尾星は■を火災になるすと是
を考るに去年/現(あらは)れし所の奇
星にきざして/斯(かく)しばくの大火に
逢たく恐べし/戒(いま)しむべし今こゝに
其巨細を/歴覧(れきらん)していてき之
見かへく袮昼火の用心の大切
なることをしらば此一小冊も又後
災をを/消除(しうじよ)するの鑑とも成なん
宵の間は暖気快晴至極おだやか成処
夜半より織乍南風ふき起り次
第に烈しく成けるが寅の下刻に
至て青山原宿町辺より出火有
松平近江守様松平志摩守様の
御屋敷井上河内守様の御下屋
しき其外小屋敷三軒やける緑
丁山尻丁不残寺院八ケ所やけ
千駄ケ谷に飛火せり此辺伊東
修理大夫様横田主殿様御下やし
きやける御先手組やしき残らず
荒川忠次郎様御橋甚左衛門御同方
三ケ処佐橋小路皆やける木村又十
【四枚目】
郎様松前七左衛門様水上金之介様
并立法守最光寺等やける時下り
おどろくべきは えんしやう に
飛火して数万 の火 四方に打
発しければ何くはいてたきるべき御
鉄砲組与力同心の衆を初めとし
て御旗本長田兼太郎様伊東遠
江守様竹本主水正様佐橋義左
衛門様菅沼信濃守様御下やしき近
藤雄之介様花房銀之丞様太田
善四郎様中川大八郎様杉浦八十
三郎様冨田小十郎様伊東三保吉様
田沢林太郎様都築勝右衛門様向井
伊織様高室四郎衛門様水野新之
介様柳原藤蔵様野呂改之介様本
多鐡之助様渡辺弥太郎様佐野
常次郎様中川勝太郎様大沢兵
庫介様内藤義一郎様平岡彦
右衛門様水野藤十郎様山高小勝治
安部次郎左衛門様松平艦之介様等
の御やしき一時にもへさり人馬の
損じも多しと聞由又は猛夷に而
永井遠江守様永井若狭守様御
やしき同勝三郎様高室安右衛門様
江原孫之丞様同権介様曲渕勝
右衛門様鈴木幸七郎様松平清左衛門様
其外御はた本様四十軒余やける