翻刻
同 松井田 弦掛舛成
千金の春にも月の宿かりて横には寝るな宵の一こく
○ 同 沼田 世詰内侍
春雨のたのみを受し柳樽みとりするめや今朝みえ見えぬらん
春雪連来
見あくれは鞍馬の山の児さくら僧正谷にはなの高さよ
榎分根
手をらんと脇の下より手をやれはくすぐつたいと梅笑ふなり
俵杉成
佐保姫のおいてなされはもろ人の日々に詠る花のかほはせ
○ 信濃 松本 小麦金鍔
下戸ならはやつとをはらにふたつほと桃のやう〳〵呑し顔はせ
松蘿道
絵にかけるをふなよりなほいたつらに心のうこく夜の梅か香
糸瓜霍丸
法華経のくとくも匂へ軒端なる花の利昼の深き梅か香