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【絵の中】
わしか国さで見せたいものは
むかし谷風いま
だてもやふ
ゆかしなつかし
みやぎのしのふ
うかれまいぞへ
松鴛月たる
しよんがへ
【本文】
深(ふか)くなり道(みち)もはうがくもうしなふは実(げ)にも思案(しあん)の外(ほか)なるべし
女(をんな)の身(み)もそのごとくかくし男(をとこ)の約束(やくそく)を待間(まつま)の窓(まど)の庭(には)の面(おも)
枝(えだ)もたわめる松(まつ)の雪(ゆき)おもきがうへの小夜衣(さよごろも)わがつまならぬ夫(つま)
がさねもいたづら心(ごゝろ)のみにあらずたがひに好(すい)た好(すか)れたはことはざ
にいふ合縁奇縁(あひえんきえん)是(これ)ぞまことに出雲(いづも)にて結(むす)ぶえにしと思(おも)
へどもおふはいやなりおもふのは侭(まゝ)にならぬが世(よ)の慣(なら)らひ
〽此(この)やうなよい間(ま)といふはめつたにはないから早(はや)く来(き)て呉(くれ)
ればよいにあれほど呉々(くれ〳〵)も約束(やくそく)しておいたからよもや日(ひ)を
まちがへる事(こと)でもあるまいにそれに又(また)折(をり)あしく雪(ゆき)はふる
し此様(こんな)に待(まつ)て居(ゐ)てひよつと来(こ)なからうもんならくやし
いのう月んに待(また)るゝとも待身(まつみ)になるなとはよくいつたもん