翻刻
【右ページ】
十六
地に悪疫流行するときは。/豫(あらかじめ)。第三条以下の。豫備
をなし。/速(すみやか)に。/芟除(なをす)の術を施すべし
【左ページ】
野生醫を学はす。素人にて如此の説を演るは。
老婆心も又甚しと。世人の嘲を受け。信用する
人もなからんかと。一旦躊躇せしか。頃ろ病勢
倍々盛んにして。追日蔓延するを聞き。もし其山
間僻地。醫なく薬なきの地に。流行するに至ら
ば。術の施しすべきなく。徒らに死を待つの外。為
す所をしらざる者あらんかと。常に思得たる
所の簡易便宜の方法を記して。以て一時備急
の。助けとなさんとする也。読者察せよ
明治十九年丙戌八月上浣東京神田区佐柄木
十七