翻刻
なき人をこふるたもとのひまなきに
あれたるのきのしつくさへそふ【降りかかる】も心くるしき程に
なむありけるこれみついりてめくる〳〵人のをと
するかたやとみるにいさゝかの人けもせすされはこそ
ゆきゝのみちにみいるれと人すみけ【住みげ】もなきもの
をと思てかへりまいるほとに月あかくさしいて
たるにみれはかうしふたま【格子二間】はかりあけてすた
れうこくけしきなりわつかに見つけたる心ち
おそろしくさへおほゆれとよりてこわつくれ【声づくり=ふつうとは違った改まった声を出す】は
いとものふりたるこゑにてまつしはふき【せきばらいをする】をさきに