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コレクション: 学校教材発掘プロジェクト 5 江戸名所図会

江戸名所図会 20巻 巻之16 - 翻刻

江戸名所図会 20巻 巻之16 - ページ 50

ページ: 50

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【右丁】  りしを転(てん)して精舎(しやうしや)とし熊谷寺(くまかやてら)と号(なつく)《割書:台命(たいめい)によりて金襴(きんらん)の袈裟(けさ)を|たまひ寺領等(しりやうとう)を附(ふ)せらる》同十六年  辛亥《割書:歳|七十》勢州(せいしう)山田(やまた)に入門寺(にふもんし)を開基(かいき)す然(しかる)に同十八年癸丑《割書:歳七|十二》蛮夷(はんい)の  凶賊(きやうそく)九州に発(をこ)り邪法(しやほふ)を弘(ひろ)め幻術(けんしゆつ)を以(もつ)て人を惑(まとは)し頗(すこふる)国(くに)を傾(かたふけ)んとする  の兆(てう)ありされとも是(これ)を平治(へいち)するに干戈(かんくは)を動(うこか)す時(とき)は国中(こくちゆう)の人民(しんみん)を鏖(みなころし)にするに  至(いた)れり高僧(かうそう)に命(めい)し正法(しやうほふ)に導(みちひか)しめむにしかしこゝにをひて衆義一決(しゆうきいつけつ)し  幡随意(はんすいい)其器(そのき)なりとて直(たゝち)に召(めさ)れ  大樹(たいしゆ)自(みつから)命(めい)せられて云(いは)く吾(われ)聞(きく)国(くに)に  患(うれへ)ある時(とき)は必(かならす)仏法(ふつほふ)の護持(まもり)によるといへり師(し)は既(すで)に天下(てんか)の法将(ほふしやう)にして邪徒(しやと)  を退治(たいち)すへきの英雄(えいゆう)なり又(また)邪徒(しやと)に対(たい)するは軍将(くんしやう)の干戈(かんくは)を揮(ふる)ひ敵陣(てきちん)に向(むかふ)に  等(ひと)しけれはとて蜀江(しよくこう)の陣羽織(ちんはをり)及(をよ)ひ金(きん)の軍配団扇(くんはいうちは)とを賜(たま)ひ急(いそ)き彼地(かのち)  に赴(おもむ)き凶徒(きようと)を教化(けうけ)せしめ国家(こくか)の患(うれへ)を除(のそく)へきの旨(むね)鈞命(きんめい)ありしかは師(し)も辞(し)  するに語(ことば)なく命(めい)に応(おう)し終(つゐ)に九州に至り邪徒(しやと)と宗義(しうき)の対論(たいろん)ありしに  各(おの〳〵)道理(たうり)に帰(き)して凶徒(きようと)直(たゝち)に志(こゝろざし)をひるかへし邪法(しやほふ)を出(いて)て浄土門(しやうともん)に入ける実(しつ)  に師(し)の徳(とく)のしからしむる故(ゆへ)なるへし《割書:軍配団扇(くんはいうちは)は幡随意院(はんすいいゐん)に蔵(さう)す|陣羽織(ちんはをり)は法孫(ほふそん)是(これ)を伝持(てんち)せり》其後(そののち)又(また) 【左丁】  令命(れいめい)によりかしこに梵宇(ほんう)を創立(さうりう)し観音寺(くはんおんし)と号(かう)す《割書:有馬氏(ありまうち)越前国(ゑちせんのくに)丸岡(まるをか)に移(うつす)|今(いま)の二河山(にかさん)白導寺(はくたうし)是(これ)なり》其(その)  後(のち)崎陽(きやう)に至り大音寺(たいおんし)を闢(ひら)き竟(つゐ)に晩年(はんねん)にをよひ紀州(きしう)和歌山(わかやま)に於(をひ)て万(はん)  松寺(しようし)を建立(こんりふ)してこゝに住(しゆう)せられしに一日(あるひ)微疾(ひしつ)を示(しめ)す上 足(そく)意天(いてん)和尚《割書:深川(ふかかは)霊(れい)|巖寺(かんし)第》  《割書:二世|なり》かしこに至(いた)り師(し)の病床(ひやうしやう)を訪(とふら)ふ師(し)大(おほひ)に喜(よろこ)ひ伝燈(てんとう)の法主(ほつしゆ)たるへしとて委(こと〳〵)【悉ヵ】く  伝法(てんほふ)あり且(かつ)諸弟(しよてい)に教誡(けうかい)し遂(つゐ)に猊床(けいしやう)に坐(さ)し筆(ふて)を求(もと)め辞世(しせい)の偈(け)を書(しよ)  して云(いは)く白道(はくたう)運歩(うんほ)数十年(すしふねん)《振り仮名:以_レ火|ひをもつて》《振り仮名:消_レ火|ひをせうす》難思術(なんしのしゆつ)と書(かき)畢(をはつ)て筆(ふて)を擲(なけ)端坐(たんさ)  合掌(かつしやう)して高声(かうしやう)に弥陀(みた)の尊号(そんかう)を唱(とな)へ眠(ねむる)か如(こと)くにして化(け)す■(とき)【口+之】に元(けん)  和(わ)元年乙卯正月十五日 歳算(せいさん)七十四《割書:以上行化伝の|要を摘》 信州(しんしう)善光寺(せんくはうし)燈明(とうみやう) 寺町 赤城山(あかきさん)燈明寺(とうみやうし)といへる台宗(たいしう)の寺(てら)にあり有心(うしん)の  輩(ともから)是(これ)をうく寺内(しない)に赤城明神(あかきみやうしん)を鎮(まつ)れり 朝日山(あさひさん)永昌寺(えいしやうし) 願成院(くはんしやうゐん)と号(かう)す下谷大通(したやおほとをり)にあり浄土宗(しやうとしう)にして鎮蓮社尊誉(ちんれんしやそんよ)上人  を開祖(かいそ)とす本尊(ほんそん)阿弥陀如来(あみたによらい)は運慶(うんけい)の作(さく)千手観音(せんしゆくはんおん)は慈恵大師(しゑたいし)の作(さく)とそ  《割書:世に除厄(やくよけ)の|本尊と称(しよう)す》寺伝(してん)に云 当寺(たうし)は天正(てんしやう)年間 下谷(したや)長者(ちやうしや)某(それかし)《割書:其名今|しるへからす》草創(さう〳〵)すもと同所 長者(ちやうしや)