翻刻
宋中 高適
梁王昔全盛。賓客復多才。
悠々一千年。陳跡【迹】惟高台。
寂寞向_二秋草_一。悲風千里来。
《割書: そうちう かうせき|りやうわうむかしぜんせい。ひんかくまたたさい。いう〳〵たりいつせん|ねん。ちんせきたゞかうだい。せきばくとしてしうさうにむかへば。ひ|ふうせんりより【字面は「う」では】きたる。》
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《割書:宋中(そうちう)とは前漢(ぜんかん)の梁(りやう)の孝王(かうわう)の都(みやこ)ありし所じやこの梁王(りやうわう)は天子(てんし)からも太切(たいせつ)になさ|れたるから全盛(ぜんせい)めざましくありしが今(いま)はなのみ残(のこ)りてある孝王(かうわう)に附(つき)そひしは|司馬相如(しばしやうじよ)牧乗(ぼくじよう)鄒陽(すうやう)など云 文学(ぶんがく)すぐれたる人々御 相手(あいて)をしたはんじやう|なりし梁王(りやうわう)も悠々(ゆう〳〵)と一千 年(ねん)に及(およ)べば其(その)人々は跡方(あとかた)もなく唯(たゞ)有(ある)ものは高台(かうだい)の|みじやむかしは家居(いへゐ)も立(たち)ならひありつらん今(いま)は台(うてな)の辺(へん)に秋草(あきくさ)しげり物(もの)さびしく|千里(せんり)のひろ野(の)を吹(ふき)くる風(かぜ)物(もの)かなしく覚(おぼ)ゆるさて〳〵ひとははかなきものじや是(これ)も|孝王(かうわう)賓客(ひんかく)を愛(あい)したをうらやみ作者(さくしや)の心(こゝろ)にのぞむ処もあれどもそれはのべず|唯(たゞ)孝王(かうわう)の事(こと)のみ云て置(おく)》