翻刻
【右丁】
天師栗(てんしりつ) とち ヲシヨロ《割書:蝦|夷》 七葉樹(しちやうしゆ)《割書:鎮江府志|華夷考》
婆羅樹(しやらしゆ)《割書:同|上》 海梧(かいこ)《割書:草木|状》
深山に多し葉の形大に栗(くり)の葉の如くにして鋸歯あり一茎七
葉集りつきて大葉をなす夏月花を開き穂をなすこと五
六寸一花の大さ四五分五弁淡紅色秋に至て実を結ふ形
山茶(さんちや)《割書:つは|き》の実に似て大に又 栗毬(りつきう)に似て剌(とけ)#1なく厚くして黄褐
色自らわれて中の子出つ実一 顆(くは)あり円にして栗の如く
山民 殻(から)を去て曝(さら)し米粉へ雑へて搗(つき)て餅(もち)となし食す木
の理能 良材(れうさい)也 華夷考(くはいかう)に樹毎_レ枝《振り仮名:生_二葉七片_一|はしちへんをせうす》有_レ花穂甚
長而《振り仮名:如_二栗花_一|りつくはのことく》秋後結_レ実可_レ食 正(まさに)所謂(いはゆる)七葉樹なりといへり南
方 草木状(さうもくしやう)に広州(くわうしう)志を引て海梧(かいこ)木樹(ほくしゆは)《振り仮名:似_二梧桐_一|ことうにゝて》色白葉似_二
青桐_一有_レ子《振り仮名:如_二大栗_一|たいりつのことく》肥甘可食《振り仮名:出_二林邑_一|りんゆうにいつ》といへり
【左丁】
棗(さう) なつめ《割書:貝原曰夏月に至て|芽を生す故に名つく》 ホルストフロイメン《割書:荷蘭蛮|語箋》
ホロウリスリヱルシ《割書:蛮名棗|の名》 九卿(きうけい)#2《割書:名物|方言》 鶏心(けいしん)《割書:同上|実名》
《振り仮名:■咨|きし》#3《割書:本草和名|引兼名苑》 青花(せいくは) 弱枝(しやくし) 王門
金帯(きんたい)《割書:共に|同上》 悉止(しつし)《割書:梵|語》 棗樹《割書:救荒|本草》
人家に多く栽ゆ夏月葉を生す形 母指(おほゆひ)の大さにして三の
縦道(たてすし)あり細茎に互生し五月葉の間に花あり小にして黄
緑色後実を結ふ小なるは豆の如し大なるものは母指の
頭(かしら)の如く熟して紅色味ひ甘し生にて食すれは歯(は)を
損す樹は二丈余に至る一種くゝりなつめは蘭山の説に細
腰(よう)なるものにして是 轆轤棗(ろくろさう)なりといへり一種長さ一寸余にして
両頭尖る者あり丹波の保律#4より出す