翻刻
ばかりのくすしそれに/並(なら)べておなじ/程(ほど)なる/尼(あま)ふたりうち
/見(み)へたりその/外(ほか)には/農家(のうか)の/人(ひと)と/思(おぼ)しきも/商人(あきうど)めきたるも/町(ちやう)
/人(にん)と/見(み)ゆるも/打交(うちまじり)て/並居(なみゐ)たりはじめの/程(ほど)は/唐(から)のやまと
の/物語(ものがたり)して/在(あり)けるが/後(のち)には/色(いろ)めかしき/噺(はな)しに/移行(うつりゆき)ぬ
/其内(そのうち)ひとりが/更行(ふけゆく)まゝにねふり/気(き)ざし/侍(は)べるにいざや
/夜(よ)すがら/相互(あいたがひ)に/一生(いつしやう)の/中(うち)に/有(あり)ける/恋(こひ)のおもはく/恥(はづ)かは
しき/㕝(こと)なりとも/露(つゆ)も/残(のこ)さず/大悲(だいひ)の/御前(みまへ)にて/懺悔(ざんげ)し