翻刻
花のさかりにもなりけれは神路山のさくら
よし野(の)の山にもはるかにすくれたりけれは
神官(しんくわん)ともみもすそ川のほとりにあつま
りてゑいしけるに
岩戸(いはと)あけしあまつみことのそのかみに
さくらをたれかうへはしめけん
神路山見しめにこもるはなさかり
こはいかはかりうれしかるらん
風の宮の花ことにわりなくさきみたれ
たるを見て
なれちきりし人々あつまりて夜もすか
ら名残をしみて弦(けん)【絃】歌(か)のきよくに心を
とゝめたかひに袖をしほりけり
おりふし
その夜の月
おもしろ
かりけれ
は
君もとへ我も忍はんさきたゝは
月をかたみにおもひ出つゝ