翻刻
一/部(ぶ)を取(とつ)て永(なが)く俄羅斯(おろしや)の版図(りやうつ)に帰(き)す初(はじ)め加列(かれ)
兒(る)十二/世(せ)と戦(たゝか)ふごとに二人/皆(みな)士卒(しそつ)と倶(とも)に単身(たゞひ[と]り)
戦陣(せんぢん)の中(なか)に進(すゝ)み其(その)衣(ころも)銃丸(てつほうたま)に中(あた)りて穿破(せんば)する者(もの)
数処(すしよ)一日(あるひ)加列兒(かれる)戦(たゝか)ひ破(やぶ)れて独(ひと)り逃ぐ日(ひ)已(すで)に黄(たそ)
昏(がれ)なり帝(てい)雪際亜(すうへしや)の「ゼネラール」《割書:大|将》を見(み)て謝(しや)して
曰(いわ)く汝(なんち)王(わう)の訓(おしへ)を得(え)て戦勝(せんしやう)を習(なら)ふ事(こと)を得(え)たりと
又/北辺(ほくへん)の兵乱(いくさ)結(むすん)で解(とけ)ざること二十一年/是(こゝ)に至(いた)
て其(その)乱(らん)初(はじ)めて定(おさま)る帝(てい)。兵(ひやう)を出(いだ)すこと此(かく)の如(こと)く久
しうして国財(こくざい)匱乏(きぼう)【「トボシ」左ルビ】することを告(つ)げず国勢(こくせい)愈々(いよ〳〵)
昌盛(はんじやう)せりと云