翻刻
ノ独後ニ現出セシモノト考定セサルヲ得ス、此ノ如キ時ニ当リテハ凡
テ其島ノ動植物、皆其近隣ノ大洲ニ属スルモノトシテ之ヲ論スヘシ、又
其島ノ石層全ク近隣ノ大洲ト殊別ナルトキハ、之ヲ旧陸地ノ残塊トシ
或ハ新ニ湧起セル新造陸地ト考定セサルヲ得ス、故ニ今澳太利亜【澳太利亜の右に長方形】洲ノ
如ク、全ク殊異ナル動植物ヲ生スルハ、更ニ恠ムニ足ラサルナリ、又
大洲ト遥ニ懸隔シテ孤峙スル島嶼ハ、其原始火山ノ造成ナルヤ否ヲ問
ハス、之ヲ往時或ハ今後ノ作用ノ徴表トシ、且海底モ亦陸地ノ表面ノ如
ク、高低参差スルノ証トナシテ見ルヘシ、此等ノ島ハ、恰モ大山脉中ニ高
峯聳立スル如ク、海底ノ山巓海面上ニ突出セルモノナリ、
以上説ク所ハ、陸地ヲ大洲島嶼ニ区別スルノ約略ニシテ、其区分ハ有機
体成立ニ甚欠クヘカラザル関係アリ、且到底甚瑣細ナル地質学作用ニ
属スルモノナリ、之ヲ例スレハ東半球ノ地殻若シ一般ニ隆起スルアラ
バ、ブリタニア【ブリタニアの右に長方形】ヲ欧羅巴【欧羅巴の右に長方形】大洲ト、ロホデン【ロホデンの右に長方形】島ヲスカンヂナビア【スカンヂナビアの右に長方形】半島ト連
絡シ、亜細亜【亜細亜の右に長方形】ト阿弗利加【阿弗利加の右に長方形】ノ境界ヲ広大ニシ、恒河近傍ノ薮沢ヲ墳起シテ
平原トナシ、ラッカジブマルヂーブ【ラッカジブマルヂーブの右に長方形】《割書:皆印度【印度の右に長方形】洋|ニ在リ》諸礁ハ広大ナル島嶼トナリ、
黄海ノ底ハ泥沙堆積シタル原野トナルヘシ、又之ニ反シテ若シ一般ニ
陥没スルアレハ、スカンヂナビヤ【スカンヂナビアの右に長方形】ヲ欧羅巴【欧羅巴の右に長方形】ヨリ裂キ、ネーゼルランド【ネーゼルランドの右に長方形】及
ヒ中部欧羅巴ノ一部ヲ水中ニ没シ、阿弗利加【阿弗利加の右に長方形】ヲ亜細亜【亜細亜の右に長方形】ヨリ離隔シ、アラ【アラの右に長方形】
ビヤ【ビヤの右に長方形】埃及【埃及の右に長方形】北阿弗利加【阿弗利加の右に長方形】ノ大半ヲ変易シ、地中海ヲ増大ニシテ、実ニ旧大洲
陸地ノ現況ヲ全ク改換スヘシ、新大洲ニ於テモ変遷同シケレハ、其顕象
モ亦同カルヘシ、大平洋群島ヲ連絡スルアラハ最著明ナルヘシ、都テ其
大洲ト島嶼ノ位知如何ニ因リテ、其成跡甚重大ナルヘシ、若シ南亜米利【亜米利の右に長方形】
加【加の右に長方形】ヲシテ方一ヤルドモ変易スルナク、赤道ヲ横絶セスシテ、之ニ平行シ
テ綿亘セシメ、或ハ阿弗利加【阿弗利加の右に長方形】ヲシテ現今欧羅巴【欧羅巴の右に長方形】ノ如ク、海水折流シテ之