翻刻
朝暾云【(見出し)】
前云江戸絵図のことにつきても死生怪我したるもの〳〵
あまたあるなかにてかく出火いたし候所々をいろわけにして
絵図となせるを九日のたよりに駿府にて見る所にさす
かに江戸のひろき事を察しかつは利にはしりて一日も
早く板行してうりなんとせるものあること便利なることとも
なりおなしう潰れ又は崩て住居もなりかたきほとに至りても
類火の為に焼さるものはいか様にも凌き出来候事ともなるへし
昨年四日【?】の府中の震はなか〳〵畑に作れる大根かふら
の外は豆腐さへ無くほと〳〵こまり候事成りおなし地震に
に逢なから土地の広きと狭きとにてかく違ひのある
ことなりきしかし道も狭く家居立並たる所々なれは死人怪我人
の多きは江戸の前戸 駿府は市宿とも家並少ししかし
地震に替れる所になけれは田舎は夫レ成りに人も損したりける也
予の留守宅は幸に潰もせす怪我は申まても無くいつれも
無事成りは神仏の恵なるへし
廻状写【(見出し)】
此は鉄砲洲築地飯田町長門守屋舗去ル二日夜地震にて台所
女部屋長屋相潰尤玄関表座敷住居向其外大破土蔵三ケ所長屋二
棟半潰罷成表門別条無御座家来下々迄怪我人等無御座候猶
巨細之儀は長門守承知之上可申上候得共先御届之儀一昨四日之御詰
堀織部正様御頼申上候処下略
小笠原長門守家来
此は小川町広小路豊前守居屋敷地震にて住居其外門長屋