翻刻
与【と】沙汰御座候向島小梅本所業平橋辺九分通死人
小塚原にては九分通死人本所深川死人何程と申数
不分大名御旗本之内にて不残死去之者七分通物持は
土蔵震潰たるうへに当表江戸中一円之大変四
里四方之間寺々葬式之死人軽き寺には十七八人多
き寺にては五十人六十人に及候由其外焼場死人積置
番付にて火葬致し新吉原にては火葬之手当も分ケ
難く一所に四十人三十人宛死人を積上【文意的には「積み上げ」でしょうが「三=み」に見えます】焼残し木ヲ以
十ケ所弐拾か所死人を自身火葬に致候よし小塚原
にては死人車に積上【「三=み」左隣の「上」と書き風が違っていると思います。】何方共なく寺へ運ひ候由山の
手四ツ谷辺水道湧上り大【土】穴明き其穴へ落入死人数
不知候由江戸町々近在震不潰所も無く誠に修羅の
街与存候 親は子を尋子は親を尋る主は家来を
尋さわき眼も当られぬこと【?】【「様々」にも見えます。】紙筆に難尽御殿
向十八九迄は潰れ御堀石垣諸方崩見附震潰候
所も有之中々愚拙共近所外なみゟ少し軽く御座候
場所本鯉丁室町本小田原町瀬戸物町惣者町
斗り御座候尤土蔵は一ケ所も安泰之所無御座候家々は皆
ひつみ候得共多分之いたみには御座なく死人は当町内
分は壱人も無之隣丁は五人七人宛死人御座候皆土蔵
潰て打れ死候由御座候誠前代未聞之事奉存候唯今
迄野宿いたし居候家々に居候もの壱人も無之次第みな