翻刻
大方ゑかく人くれ竹の世々に其名きこえたる上手
共いと多かる中にも百とせばかりむかし光琳法橋と
きこえしは倭もろこしのおかしき所々をとり並べこと
そぎたる中に力を入てみやびかなるおもむきをしも
むねと書あらはし筒其比此道にならぶ人はたな
かりけりこゝに等覚院抱一君は弓を袋にをさ
めて画に世をのがれたまひかの法橋のあとを
したひてかき出たまへるが山のたゝずまい水
のこゝろばへはいふもさらなり鳥毛物【獣】はふむし
などはさながらたましいひ有てうごき出ぬべき
心ちなんせられけるとりたてゝこのみ給ふ事