翻刻
【右丁】
一種
水晶(すいしやう)
かつら
さねかつらの一種にて実白色なるものなり
又 淡紅(うすあか)を帯(をぶ)るものもあり
【左丁】
蓬虆(ほうるい) ふゆいちこ
暖国(たんこく)の山中 陰地(ひかけ)にあり四時 凋(すほ)ます茎(くき)細(ほそ)くして蔓(つる)の如(こと)く葉(は)は円(まる)くして鋸歯(かゝり)あり錦葵(きんき)《割書:せにあ|ふひ》の
葉(は)に似(に)て光沢(つや)あり五弁の白花【実脱ヵ】 冬月(みはふゆ)熟(しゆく)す紅色なり是 汪機(わうき)説(とく)ところの寒苺(かんも)なり
一種
円葉(まるは)の物(もの)形状(かたち)ふゆいちこに似て葉(は)円(まる)し
一種 たぐりいちご
駿州(すんしう)豆(づ)州 等(とう)にあり葉(は)は寒苺(かんも)に似て大に茎葉(くきは)ともに紅色の毛剌(け)【刺の誤ヵ】多(おゝ)く蔓(つる)の如(こと)く長(なか)さ八九尺
末地(すへち)に附(つき)て根(ね)を生(せう)す十月 実(み)を結(むす)といふ寒地(かんち)にては花実(はなみ)なし亦(また)寒苺(かんも)の一種なり
【版心の中央部に記載あり】
蓬虆