翻刻
【右丁】
一種 とくりいちこ かんすいちご
苗(なへ)短(みしか)く四五寸 葉(は)は薔薇(しやうひ)に似て花白色 単弁(ひとへ)形(かたち)いちこの如く実(み)いちこに似たり花実(はなみ)ともに下垂(けすい)す
一種 こやをき ときんいばら《割書:松|岡》 きくいばら《割書:筑|紫》
酴釄(どび)《割書:閩書南|産志》 雅客(がきやく)《割書:呉中|紀聞》 剌(し)【刺の誤ヵ】頭花(とうくは)《割書:泉州|府志》
高さ三四尺葉は薔薇(しやうひ)に似て枝幹(ゑた)剌(とけ)【刺の誤ヵ】多(おゝ)く夏白花あり千弁(やゑ)形(かたち)千葉の白牡丹(はくほたん)に似たり根の至(いた)る処(ところ)
苗(なへ)を生す此物(このもの)を古(いにしへ)より薔薇類(しやうひるい)に入るは穏(おたやか)ならすばらの類(るい)は花の萼(うてな)の下に実(み)を結(むす)ふいちごの
類は花の中(なか)に実(み)を結(むす)ふ此物(このもの)とくりいちごの種(たね)にて千弁(やゑ)なるゆへ実(み)を結(むすは)はす秘伝花鏡(ひてんくはきやう)に云《振り仮名:有_二紅|こうなるもの》
《振り仮名:者_一|あり》俗(そく)《振り仮名:呼_二番荼蘼_一|はんとひとよふ》亦(また)《振り仮名:不_レ香|かんはしからす》○広事類賦(くはうしるいふ)《振り仮名:引_二清異録_一|せいゐろくをひいて》曰(いはく)酴釄花(とひくは)《振り仮名:多_レ名|なおゝし》百宜枝(ひやくきし)独歩春(とくほしゆん)沈香友(ちんかうゆう)
白蔓君(はくまんくん)緑衣(りよくい)伝粉(てんふん)瓊帯(けいたい)雪瀴(せつゑい)【注】
一種 くまいちご
武州 処々(しよ〳〵)山野(さんや)にあり高(たか)さ七八尺 枝幹(ゑた)肥大(ひたい)にして緑色(みとりいろ)葉(は)は蓖麻(ひま)《割書:とう|こま》に似て小く深(こき)緑色(みとりいろ)光沢(つや)
あり花 五弁(いつへら)白色 実(み)大にして黄色上に向(むか)ふ味(あしはひ)美(び)なり
【左丁】
とくり
いちこ
【版心の中央部に記載あり】
とくりいちこ
【注 「瀴」は「纓」の誤ヵ。(『重訂廣事類賦40卷.[7]』(国立国会図書館デジタルコレクション 書誌ID=000007602541 永続的識別子=info:ndljp/pid/2557715)の、六十六コマ左丁 最終行~六十七コマ 右丁一行目を参照。)】