翻刻
【右丁 文字無し】
【左丁】
使君子(しくんし)
元(もと)和産(わさん)なし享保(けうほ)年中 漢種(からたね)渡(わた)り駿河(するが)の官園(おやくゑん)に栽(うゑ)られ今(いま)は実(み)を結(むす)ふ甚(はなは)た
寒(かん)を恐(おそ)るゆえ立冬頃(りつとうころ)より土窯(むろ)【窖の誤記ヵ】へ納(おさ)め清明(せいめい)の頃(ころ)に出(いた)す葉(は)は李(り)《割書:す|もゝ》に似(に)て薄(うす)く 円(まるき)
茎(くき)対生(たいせい)枝幹(ゑたから)弱(よは)く倒(たを)れ易(やす)し五六月 枝梢(ゑたこすへ)に穂(ほ)をなして一 朶(た)数十 茎(けい)萼(がく)あり
五弁(こべん)白色(はくしよく)一日を経(へ)て紅色に変(へん)す海棠(かいとう)に似(に)たり花(はな)の筒(つゝ)の本(もと)に莢(さや)を結(むす)ふ五 稜(かど)あり
て黒褐色(くろうるみいろ)形 樗莢(ちよけう)《割書:ちやんちん|のさや》に似(に)て大なり
【版心の中央部に記載あり】
使君子