翻刻
【右丁】
馬兜鈴(ばとれい) むまのすゝ つんほくさ《割書:播州此実にて|耳を毒す》
をはくろはな《割書:尾|州》 ツイバクヲル《割書:朝|鮮》
ヒストロシアホルウヲルトル【注】《割書:荷|蘭》
此根(このね)を俗(そく)に青木香(せうもくかう)といふは土青木香(とせうもくかう)の略(りやく)なり但(たゝ)し古方(こはう)に青木香と書(しよ)するは南(なん)
木香(もくかう)なり後世(こうせい)の方中に青木香(せうもくかう)と書したるは多(おほ)くは馬兜鈴根(ばとれいこん)なり武州 近郊(きんこう)多く
あり春(はる)宿根(ふるね)より生(せう)す葉(は)蔓(つる)皆(みな)紫黒(むらさき)色 葉(は)は山薬(さんやく)《割書:しねん|しやう》に似(に)て小く厚(あつ)く臭気(しうき)あり蔓(つる)
長(なか)さ一二丈 夏月(なつ)葉間(はのあいた)に花あり形(かたち)烟菅(ゑんくわん)【管の誤ヵ】《割書:きせ|る》の頭(かしら)に似(に)て長(なか)さ一寸紫黒色 本(もと)に実(み)の形(かたち)あれ
とも多(おほ)くは実(み)のらす根(ね)は土中を蔓延(まんゑん)して大さ指(ゆび)の如(こと)く二三尺 黄赤色(かばいろ)味(あしはひ)苦(から)く香あり蘇(そ)
頌(せう)の説(せつ)に《振り仮名:開_二黄紫花_一|わうしくはをひらく》と云(いふ)是(これ)なり荷蘭(おらんだ)にて円根(まるね)の物(もの)をカハと名(なづ)く長根より《振り仮名:多_レ功|こうおほし》労(ろう)
瘵(さい)悪性腫物(あくせうしゆもつ)花胎(くわたい)胞衣(はうい)悪露(おろ)を通(つう)すテリアカに用(もち)ゆ
【注 ヲは小文字】
【左丁】
【版心の中央部に記載あり】
馬兜鈴