翻刻
《題:古籠火(ころうくは)》
それ火に陰火(いんくわ)陽火(やうくは)鬼(き)火さま〴〵
ありとぞわけて古戦場(こせんじやう)には汗血(かんけつ)
のこりて鬼火となりあやしきかたちを
あらはすよしを聞はべれどもいまた灯篭(とうろう)の火(ひ)の
怪(くはひ)をなすことをきかずと夢の中におもひぬ
【左丁】
《題:天井嘗(てんぜうなめ)》
天井の高は燈(ともしび)くろうして冬さむしと
言へどもこれ家さくの故にもあらず
まつたく此/怪(くわい)のなすわざにて
ぞつとするなるへしと
夢のうちに
おもひぬ