翻刻
【右丁】
《題:長冠(おさかうふり)》
東都の城門に
かけて世を
のかれし賢人の
冠にはあらで
このてかしはの
ふたおもてありし
侫(ねぢけ)人のおもかけ
ならんかしと夢こゝちに
おもひぬ
【左丁】
《題:沓頬(くつつら)》
鄭瓜州(ていくはしう)の瓜田(くはでん)に怪(くはい)ありて瓜(ふり)を
喰(くろ)ふ霊隠寺(れいいんじ)の僧(そう)これをきゝて
符(ふ)をあたふ是を瓜田におくに
怪ながくいたらずのち其符を
ひらき見るに李下(りかに)不(かふり)_レ正(をたゞ)_レ冠(さず)_レの
五字ありと
かつてこの
怪(くはい)にやと
夢(ゆめ)のうちに
おもひぬ