翻刻
染川は弥二郎にたまされ
しより又身うけするものも
あれどもねんのとをりをつと
めそれ〳〵におきみやげして
さとをはなれ弥二郎にこゝろを
かけしにはあらねどもおちぶれ
しときは女ほうにはなるまいと
いゝしをわすれずつがいし
ことばのいつわりのなき
ま事をたてたつね
きたれば弥二郎いま
はしやうじきいつ
へんにてかすかの
くらしをして
いけるがかんしん
してふうふと
なりける
そのころ
染川がま事を
かんしんせぬものは
なし なんぼうつ
くしくてもおんな【なんぼ美しくても女】
はないしんによや【は内心如夜叉と】
しやと しやかむに
によらいもとき【釈迦牟尼如来も説き】
給へはみんなかう【給へば、みんなかう】
ではあるまいと
石部金吉と
いふ人むすこ
どのへいわれ
しといふ
さた
なり
【駕籠かきたちの台詞】
何たり【?】とやらの
うたいのやうだ
ほうぐみ
けづり
かけよう
【弥二郎の台詞】
さて〳〵めんぼくも
ない此てい